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お正月なのだ。

今日からタイではソンクランに突入。ソンクランとは、タイにおける旧暦の新年である。期間は一応4月13日から15日ということになっているが、12~16日くらいまでを休みとする会社が多い。日本人にとっては水掛け祭りという言い方のほうが馴染みがあるかもしれない。

ソンクランの水をかけるという行為のもともとの意味は、水は清らかなもので汚れたものを浄化するという考えが根底にあり、仏像や仏塔に水をかけて清めたり、相手に敬意を示したり無病息災を願う意味で年配の家族の手に水をかけ清めるというものであった。
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現場でもオリジナルのほうのお清めが行われたが、僕は日本人ということで特別扱いしてもらい、上席でお清めを受けた。その際、ひとりひとりが一言ずつ言葉を掛けていくのだが、年長のスタッフには、「いつまでもお元気で」とか「お幸せに」とかいうのに、僕に対してはみんな「いっぱい彼女ができますように」とか「奥さんができますように」とかふざけた一言を言ってくれる。

こんな風にもとともは慎ましやかな風習だったのが、ただの水の掛け合いに発展し、今では水を掛け合うことのみを楽しむ人も多い。商店や家の前の道路や歩道までホースで水を引き、過ぎ行く車やバイク、歩行者に水をかけてやろうと狙う人たちがずらりと並ぶ。特にバイクは生身なので水を掛けるほうも掛け甲斐があるのかよく狙われている。ピックアップの荷台にドラム缶を乗せて数人で荷台から水を振りまいているような若者のグループも結構ある。こっちは道路側から歩行者を狙い撃ちにしている。路線バスの風通しのために開かれた窓も標的となる。中の乗客はというと、水を掛けられても笑っているだけかあせって窓を閉めるくらいなもので、怒る人などは一人もいない。僕も家からほんの200mほどのセブンイレブンに行くまでの間にちびっこ集団に囲まれ、びしょびしょにさせられてしまった。そんなふうにこの祭りの期間中は日本人には考えられないほどの無礼講状態となる。


ちょうど日本から友達が遊びに来たので、バンコクでも一番にぎやかに水を掛け合っているカオサンに出かけた。テロを警戒してか、入り口でボディチェック。しかし、その係りの人もびしょ濡れになり、顔にはベビーパウダーを塗りたくられているから迫力がない。

カオサンロードに入ると、通りの左右からエイリアンたちが持っていそうな形の空気圧力を利用した水鉄砲やドラム缶に水をためて桶を持った人たちが両脇にずらりと並んでいる。水を掛ける人、掛けられる人がお互いに楽しそうで、過ぎ行く人全員が友達同士のような明るい雰囲気に包まれる。お祭りってのは、初対面同士の人でも、お祭りに参加しているって共通項だけで仲良くなれてしまう不思議な力がある。そんな中を漂い歩き、カオサンロードを抜ける頃には全身がびしょ濡れになり、ベビーパウダーを塗りたくられてバカ殿様のようになったお互いの顔を笑いあったのであった。
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さて、僕は今日で仕事納め(4月なのに仕事納めって変だけど・・・)。明日から3日間、チャン島の友達のところにダイビングに出かけるのであります。
では。
by beerman7 | 2007-04-14 17:41 | タイログ