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ウィルス

ウィルスの研究をしている友達がアメリカの大学に雇われることになり、そのビザを取得するために北海道から東京へ来たついでにウチに泊まりにきました。ウイルスの研究をしているというとたいそう賢そうな人間を想像するかもしれないけれども、ディバックに少年ジャンプを一冊だけ入れてハワイへバカンスに出かけてしまうような男なのである。ある意味すごいんだけどね。

さてウィルスと言ってもコンピュータウィルスのことではない。gooの辞書によると“最も簡単な微生物の一種。核酸として DNA か RNA のいずれかをもち、タンパク質の外殻で包まれている。動物・植物・細菌を宿主とし,ほとんどのものがその生合成経路を利用して増殖する。”のウィルスのことです。彼は人間に役立つようなウィルスを作ろうという研究をしているのです。例えば、
・特定の昆虫のみに殺傷能力を持ったウィルスを作り、農薬の代わりとして使う
・遺伝子治療のキャリア(治療対象への運び役)として使う。例えばガン細胞の遺伝子治療等


これらを実現するのは意外にも実はそんなに難しくないそうである。じゃあ何が問題かといえばそれは安全性の検証なのだそうだ。薬で言えば副作用が何であるかを検証するということのようなもの。特定の能力を持っていることは確認できても、それ以外にどんな作用があるのかの検証が難しいらしいのである。でもそのハードルをクリアしない限り世に出すことは難しく、それを検証するのが大変なのだと話していた。
例えば“遺伝子組換え大豆”。要するに安全であると言い切れないので忌み嫌われているらしい。でも実際は家畜を通して人間の口に入っている。しかし分子レベルまで分解されることによりその影響はないとされ“この家畜は遺伝子組替え飼料により育てられました”という表示は不要なのだそうである。ちなみに遺伝子組換え大豆と同じ境遇のウィルスを研究している彼は、“遺伝子組換え大豆”応援派であった。「駄目だったらそのとき何とかすればいいじゃん。携帯が発する電磁波も同じようなもんじゃん」などと危ないことも言っていた。そして彼は「研究を成功させて大金持ちになるのだ。そうでなければ殺人ウィルスを世にばらまくのだ」と言いながら眠りに落ちていきました。

彼を応援してよいのかどうかは非常に迷うところではある。
by beerman7 | 2004-10-12 22:17 | 雑学系?