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どのように生きていくか。

Halが寝てしまった後のベッドの上で、
「おとといさー、資本主義がつくづく嫌になってさー」と言うと、
Yuikoは大笑いした。
「おととい」という手が届きそうな言葉と、
「資本主義」という手の届かないような言葉の、
コントラストが面白かったようだ。

タイで仕事をするようになってから、
資本主義というのは人を幸せにするのだろうか?ということを時々考える。
まだ完全に浸透しきっていない国だからかも知れない。


例えばこんなことだ。
工場に納めた、ある機械が故障した。
その機械が動かなければ、工場の生産は再開できないので、
工場の担当者は少しでも生産を止める時間を短くしようと焦っている。

故障の原因となった部品は
遠方から取り寄せる必要があり、夕方に到着した。
「朝まで作業すれば、何とか立ち上がりそうですね」と、
その担当者は言う。
(寝ずに朝までやればね・・・)と僕は心の中で答える。
日本人にとっては、まあ当たり前の感覚なのかもしれないな、
と思う一方で、
メーカーから派遣されてきたタイの人をかわいそうに思う。

工場の人にとっては、お金を出してその機械を買ったが、
故障したことにより生産を動かせないために価値を生み出せず、
お金が停滞してしまっている状態。

メーカーの人にとっては、お金をもらってその機械を売ったが、
故障したために、その価値を提供できていない状態。

どちらもお金の流れによって期待した効果が滞っている状態なので、
それをいち早く解決することが、最もプライオリティが高い行為だ。
だから、徹夜して作業するのも、仕方ないんだよ・・・。

でもその派遣されてきた人、個人にとっては、
こんなことはいつから当たり前になってしまったのかなぁ?

昔は-----
朝起きて、家族に「おはよう」と言い、
「行って来ます」と言って出かけ、
夕方帰ってきて「ただいま」と言い、
「いただきます」と言ってみんなで食卓を囲み、
「おやすみなさい」と言って、布団にもぐる。
っていう、毎日を普通に過ごしていたんじゃないか、と勝手に想像する。
タイという国のほんの十数年前までは、
そんな空気が流れていただろうに、と想像する。

そんな平穏な場所に、資本主義という主義を持ち込み、
幸せをめちゃくちゃにしたことにも、
されたことにも、誰も気付いていないんだろうな。

だって、お金が手に入れば、好きなものを買って、いっぱい遊んで、
子供に質の高い教育を受けさせることもできるし、何だってできるもんな。
いいことづくめだもんな。


でもね、よく考えると、
家族と毎日挨拶を交わすことと、それをなくして仕事することと、
どっちが大事なんだろう?
いや、大事にすべきなんだろう?と考えたほうがいいだろうか。

僕にとっての、と限定すれば、答えは出ている。
でも、子供ができた今、お金を稼いで来れなかったら?
と不安な気持ちになる。
僕が資本主義に見切りをつけられるからと言って、
子供は僕とは同じでないだろうしな、
いろんな選択肢は残してあげる必要があるし・・・。

悩むなあ・・・。
自分で資本主義に変わるシステムを考えないと無理かな、こりゃ。
by beerman7 | 2011-12-05 21:31 | 雑記